「障害があっても、みんなと同じように働きたい!」このあたりまえの願いを実現するため、1986年、共同作業所つくしの里を開所しました。私たちは開所当初から障害の種別、程度を入所の条件にしないという理念を掲げ、障害のある人を「ともに地域で暮らす仲間」という思いから「仲間」と呼び、活動を続けています。そして、1994年には社会福祉法人を設立しました。今では、働く場、暮らしの場、その人らしい暮らしを作るための相談支援センターへと活動の場を広げています。
私たちは、これまで障害のある仲間の生活を豊かにするため働くことを中心に活動をしてきました。その活動は、地域の方々の理解を深めてきています。また、毎年取り組む、つくし市、署名活動は地域の方々とのつながりで欠かすことのできないものとなっています。その中で、障害があっても、障害のない人と同じように働き、暮らすことは障害のある人の「権利」であるということを訴え続けています。
2006年、障害者自立支援法が施行されました。障害ゆえに必要な支えを「サービス」と呼んで自己負担を課し、障害の責任を仲間本人に押しつけるこの法に仲間自身が大きな反対の声を上げました。法廷闘争へと発展した障害者自立支援法違憲訴訟に、つくしの里からも2名の仲間を原告として送り出し、ともに訴訟を闘いました。仲間の怒りは社会全体へと広がり、その結果、国と「基本合意文書」を交わすことになります。これは障害者自立支援法の矛盾を国に認めさせたと同時に、障害のある人たちが、すべての権利の主体だと認められた瞬間でもありました。
2014年に日本は障害者権利条約を批准しました。「私たち抜きに私たちのことを決めないで」という言葉から生まれたこの条約は、私たちの歩みと想いを同じくするものです。そして、障害者権利条約に謳われた「他の者との平等」とは、障害のある人に特別な権利を認めたものではありません。障害の有無を感じさせない社会を作ろうと謳っているのです。障害のある人が地域であたりまえに働き、えらべる暮らしを実現する社会は、すべての人にとって暮らしやすい社会です。私たちはこれまでのつくしの里の活動に確信を持ち、すべての人にとって暮らしやすい社会づくりを進めていきます。